これはもう、たまげました。
10年に一度出会うかどうかというぐらい、衝撃の度合いが大きい作品です。
一言で言えば、他人の心のヤバイ部分にズカズカと踏み込んでいくような内容です。他の作品なら、踏み込むことを避けるような部分に踏み込みます。かといって、人間の醜い部分をことさら強調するような下品な作品ではありません。あくまで淡々と心を描きます。
たとえて言えば、山田ミネコの作品に最初に出会った時の印象に似ていると言えます。たとえば、「冬の円盤」なども、他人の心にズカズカと踏み込んでいくような側面があったような気がしますが、それに印象が似ています。
しかし、表現、内容は、もっとストレートで病的です。
別の角度から言えば…… §
次の展開が予測できない……というのが最も大きな特徴です。
ダークな話もあれば、善良な結末の話もあります。
また、糞が新しい美味な食べ物……という、どうやっても事前に予測できない話もあります。
短い話の1つ1つが全て重さを持っていて、気楽に読み通すことができないために、読み終わるまでだいぶ期間が経過してしまいました。
似ていると言えば…… §
山田ミネコと山本ルンルン。漢字の姓+カタカナの名という構成も似ているし、しかも先頭が同じ「山」だ!